骨粗鬆症|絹の台なかむら整形外科|つくばみらい市絹の台の整形外科

〒300-2436 茨城県つくばみらい市絹の台3丁目22-7
0297-38-5150
アイチケット
ヘッダー画像

骨粗鬆症

骨粗鬆症|絹の台なかむら整形外科|つくばみらい市絹の台の整形外科

骨粗鬆症

骨粗鬆症

骨密度は50歳ごろから低下し始めます。高齢者の骨折は寝たきりの原因となるため、骨折予防が非常に重要です。
当院では骨密度測定器による腰椎、大腿骨骨密度の測定が可能です。定期的に骨密度を測定することで治療効果の判定にもなります。また骨代謝マーカーの測定も行い、一人ひとりに最適な骨粗鬆症治療を行います。

骨粗鬆症とは

老化などが原因となって骨の量が減少し、鬆(す)が入ったように骨がスカスカになり、もろくなって骨折リスクが高くなってしまう疾患です。骨に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル量(骨密度)は、20~30歳頃の若年期をピークに、歳を重ねるとともに減少していきます。
この骨密度が減少をきたすことによって骨粗鬆症と言われる状態になり、背骨が身体の重みでつぶれたり、背中が曲がったり、変形による圧迫骨折をきたしたり、ちょっとした転倒で骨折すると言った事態を引き起こしがちになります。

女性に多い骨粗鬆症

骨粗鬆症は、高齢の女性を中心に、年々増加の一途をたどっています。骨粗鬆症は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下する更年期以降に特に多くみられます。エストロゲンには、骨の新陳代謝に際して骨吸収を緩やかにし、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制する働きがあります。
閉経して、このエストロゲンの分泌量が減少してきますと、骨吸収のスピードが速まるため、骨形成が追いつかず、骨がもろくなってしまうのです。そのため、閉経を迎える50歳前後から骨量は急激に減少し始めます。50歳になる前に一度は骨粗鬆症の精密検査を受けるようおすすめいたします。

骨粗鬆症の検査

骨粗鬆症の診断には、骨密度の測定、X線検査、身長測定、血液・尿検査などが行われます。

骨密度の測定

骨の強さを測定する際の重要な尺度の1つに「骨密度」があります。当院では骨密度測定装置(DEXA)を導入し、腰椎と股関節の骨密度の測定を行っております。6か月に1回のDEXA法による股関節、腰椎等の検査をお勧めいたします。

血液検査

骨代謝マーカーを調べることにより、骨の新陳代謝の速度が分かります。骨吸収を示す骨代謝マーカーの高い人では骨密度の低下速度が速いため、骨密度の値にかかわらず骨折の危険性が高くなっています。

骨粗鬆症の予防と治療

骨粗鬆症の原因のうち、年齢や性別、遺伝的な体質などは変えることができません。しかし、変えることのできる要素、つまり食生活や運動などの生活習慣を見直すことにより予防と改善が可能です。

食事療法

骨粗鬆症の治療や予防に必要な栄養素は、骨の主成分であるカルシウムやタンパク質、および骨のリモデリングに必要なビタミンD、Kなどです。カルシウムは食品として700~800mg/日、ビタミンDは400~800IU/日、ビタミンKは250~300μg/日を摂取することが推奨されています。
これらの栄養素を積極的に取りながら、しかもバランスの良い食生活を送ることが大切です。

積極的に摂りたい栄養素を多く含む食品

  • カルシウム…牛乳や豆乳、チーズ、干しえび、しらす、ひじき、わかさぎ、いわしの丸干し、えんどう豆、小松菜、モロヘイヤ など
  • タンパク質…肉類、魚類、卵、乳製品、大豆 など
  • ビタミンD…あんこうの肝、しらす干し、いわしの丸干し、すじこ、鮭、うなぎの蒲焼き、きくらげ、煮干し、干し椎茸 など
  • ビタミンK…納豆、抹茶、パセリ、しそ、モロヘイヤ、しゅんぎく、おかひじき、小松菜、ほうれん草、菜の花、かいわれ大根、にら など

運動療法

骨は運動をして負荷をかけることで増え、より丈夫になります。さらに、筋肉を鍛えることで体をしっかり支えられるようになったり、バランス感覚がよくなったりし、ふらつきが少なくなって転倒防止にもつながるため、運動療法は骨粗鬆症の治療には欠かせません。
骨量を増やすには、ウォーキングやジョギング、エアロビクスなどの中程度の強度の運動が効果的で、激しい運動をする必要はありません。運動量を少しでも増やそうとする心がけが大切です。

薬物療法

症状が進んだケースでは、食事療法や運動療法に併せて薬物療法を開始します。
現在使われている薬には、骨の吸収を抑える「骨吸収抑制剤」、骨の形成(新しい骨を作る)を助ける「骨形成促進剤」、骨の栄養素である各種ビタミン(D、K)剤などがあります。
どんな薬を選び、いつから治療を開始するかについては、個々の患者様の年齢や症状の進み具合などを考え合わせながら医師が判断します。
現在、治療に用いられている薬には、主に以下のようなものがあります。

ビスフォスフォネート製剤

骨吸収を抑制することによって骨形成を促し、骨密度を増やします。骨粗鬆症の治療薬のなかでも特に有効性の高い薬です。ビスフォスフォネートは腸で吸収され、すぐに骨に届きます。そして破骨細胞に作用し、過剰な骨吸収を抑制するのです。骨吸収が緩やかになると、骨形成が追いついて、密度の高い骨が出来上がります。内服と注射製剤(1年に1回点滴注射)があります。

SERM(サーム:塩酸ラロキシフェン)

骨に対しては女性ホルモンのエストロゲンに似た作用があり、骨密度を増加させますが、骨以外の臓器(乳房や子宮など)には影響を与えません。

活性化ビタミンD

カルシウムの腸管からの吸収を増やす働きがあります。また、骨形成と骨吸収のバランスも調整します。

女性ホルモン製剤(エストロゲン)

女性ホルモンの減少に起因する骨粗鬆症に有効です。閉経期の様々な更年期症状を軽くし、併せて骨粗鬆症を治療する目的で用いられます。

副甲状腺ホルモン製剤(注射製剤)

骨形成を促進して骨量を増やし、骨折を減少させる薬です。専用キットを用いて1日1回自己注射する薬と、週1回医療機関で注射する薬があります。複数箇所の骨折が起こっている、骨密度が著しく減少しているなど、重症の患者様に対して用いられます。

抗RANKLモノクローナル抗体(注射製剤)

破骨細胞は、骨芽細胞と結合することによって骨を壊す細胞になります。この結合する部分(RANKL)をブロックすれば、結合することができなくなるため、骨は壊れなくなります。このようにして骨が溶け出していく過程が遮断され、骨粗鬆症を治療することができると考えられています。なお、この薬の特徴は、6か月に1回の皮下注射で済む点です(6か月製剤)。ただし、血中のカルシウム濃度が下がりがちなため、ビタミンD製剤やカルシウム製剤を毎日服用していただくようになります。

抗スクレロチン抗体(注射製剤)

イベニティはスクレロスチンという物質のはたらきを抑えることで、骨密度を増やし、骨折を起こしにくくするお薬です。骨をつくるはたらき(骨形成)を促進するとともに、骨を壊すはたらき(骨吸収)を抑制する2つの作用を併せもちます。注射することで効果を発揮するお薬です。椎体骨折の既往がある方、骨粗鬆症があり骨折の可能性が極めて高い患者様にお勧めする注射製剤です。1か月に1回、合計12回注射いたします。